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岐阜ギヤー工業株式会社
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高さ20センチほど。円筒状のワークには、すでに歯車が切ってある。そのワークを慎重に固定すると自慢の工具で切り込んだ。
 小川知英(23)は入社5年目。入社ほどなく、スロッターを任された。円筒状の歯車の内側にキー溝を切り込む作業。単純で根気のいる仕事だ。しかし、小川は「スロッター担当は希望通り」と話す。「こつこつと積み上げる作業は好きですから」と笑顔を見せた。 入社当時、スロッターの担当は小川のほかにもう一人いたが、しばらくすると退社。それ以降、小川が1人で担当している。「本当にこれでいいのだろうか」と1人での作業が大きな孤独感と不安を呼んだ。しかし、数をこなし褒められたことで壁を越え、経験が自信へと変わった。
 また、不安がなくなった頃には、カッターづくりの面白さを知った。寸法にそのまま跳ね返るカッターの大切さを理解したからだ。また、新しい材料へのチャレンジは小川の楽しさを何倍にも膨らませた。「アルミを削ったんです。そしたらなかなか削れなくて。材料ごとにもう少し幅をプラスしよう、マイナスの方がいいって、コツが分った時はうれしいですよ」。
 現在、小川の作ったスロッターのカッターは全体の半数でしかない。将来的にすべてを小川が手掛けたカッターにしたいと話す。

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「プログラムの効率化も大切なこと。しかし、職人として加工ノウハウの引き出しを増やしてほしい」。それが、熊田と同じチームで働く先輩の藤田篤幹(31)の考えだ。MCが使えるだけで、加工ができているとまでは言えない。藤田を含め、そつなく加工をこなし仕事を任せられるようになった熊田に、「もうひとつ上」の職人になってほしいと指導する。
 長く現場で歯車を見続けてきた社長の松波俊宣(65)はそんな社員の自主性を育ててきた。「オレが1から10までいうのは簡単」と、失敗した時と上手にできた時を比較して、何か感じ取ってほしいと願う。
 「何々長って肩書きがなきゃ教えちゃだめなんてことはない。いかに周りが上手に褒めてやるか」。社長の思いの先には、若い技術者の成長した姿が明確に見えている。

MCを操作する熊田正洋

工場の奥。何台ものマシニングセンタ(MC)が並ぶその横で、机に向かいCADに図面の数値を打ち込むのは熊田正洋(22)。
 入社4年目の熊田が担当するのは立形マシニングセンタだ。工業高校時代から好きだった。「NC機を使った加工」がやりたいと加工現場に飛び込んだ。歯車のフライスや穴あけ加工が仕事の中心だ。日に300以上の歯車を加工することもある。
 そんな熊田が大切にするのは、入社当時の失敗経験。1日にいくつも不良品をだした。そこで周りがかけた言葉は「どんどんやってみろ」。熊田は「失敗の原因を探り、自分で試した経験が役に立っています」と振り返る。
 少しずつコツを掴んできた熊田だが、どうしても先輩技術者との差を埋められないのが段取り作業。加工時間はMCが行うため変わらないが、段取りはそうはいかない。この時間の差を感じるたび先輩との実力の差を思い知った。短い時間でセットできるよう日々試行錯誤を繰り返す。 また、熊田が次の課題として挙げるのがCAD/CAMの操作。MC担当として使いこなすのは当たり前。平面的に見た時の“送り”は分かるが、同時5軸など回しながらになるとまだ分からない部分も多い。「これからは複雑なプログラミングも覚えたい」。そう話すと、手元にあった電卓でさっと計算を終え、少し慣れた手つきで数値をNCに打ち込むと固定したワークの先端をじっと見つめた

スロッターを操作する小川知英

誰が教えてもいい
ひとつ先を見る力を養う